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SEKAI NO OWARI『TOKYO FANTASY』@富士急ハイランド?

掲載期間:2014年8月1日~10月6日

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 「SEKAI NO OWARI 初の野外ワンマンイベント開催決定! 『炎と森のカーニバル』 10月12日(土)・13日(日) 富士急ハイランド?」。そんな情報が飛び出したのは2月23日。アルバム『ENTERTAINMENT』を引っ提げて行われた昨年5月の東名阪Zeppツアー&7~10月のホール・ツアーに続いて、東名阪アリーナ・ツアーとして開催された『SEKAI NO OWARI ARENA TOUR 2013 「ENTERTAINMENT」』最終日:東京・国立代々木競技場第一体育館2Daysの2日目のことだった。「僕が監修させてもらってやる感じなんですけど。僕の頭の中が爆発したものをやりたいなと」とFukaseが意気込みを語っていたあの日から約8ヵ月。その後、当初は10月12日・13日の2日間の予定だった『炎と森のカーニバル』には14日(月・祝)の追加公演が加わって計3日間に。SEKAI NO OWARIのエンタテインメント空間はついに街を飛び出し、1日約2万人・計6万人の参加者とともに一大ワンダーランドを作り上げるに至ったのであるーーSEKAI NO OWARIセルフプロデュース、初の野外ワンマンフェスティバル『炎と森のカーニバル』。その2日目の模様を、以下にレポートしていくことにする。

 雲ひとつない晴天に恵まれた10月13日、日曜日。「会場:富士急ハイランド?」と発表されていたフェスティバルの会場は、富士急行「富士急ハイランド」駅から「富士急ハイランド」を通り抜けたさらにその先の「コニファーフォレスト」。今回は3日間を通して「ドレスコード:仮装」がアナウンスされていて(もちろん仮装なしでもOK)、メンバー4人が事前にブログに「こんなイメージの仮装がいい」と綴っていた「ミイラ」「狼男」「ドラゴン」「ドラキュラ」「シンデレラ」「ネコ」「魔法使い」「海賊」「戦士」「ロボット」をはじめ、さまざまな仮装に身を包んだ参加者が、次々と会場を目指して「富士急ハイランド」を横切っていく。で、中にはもちろん、仮装姿のまま遊園地のアトラクションに興じている人もいる。『炎と森のカーニバル』は、すでに会場に着く前から始まっている……そんなワクワク感が、お客さん1人1人の表情から早くも伝わってくる。

 入場証代わりのリストバンド「スターライトリング」を受け取って、「炎と森のカーニバル」というタイトルそのものの、童話に出てくる魔法の森の入口のようなゲートをくぐって会場に入る。ステージ・エリアに行く前に辿り着くのが、フードコートやフォトセッションのコーナーなどが並んだサブエリア。開演予定は17:30だが、会場自体は12:00からオープンしており、みんな思い思いにおでんを食べたり、バーでお酒をたしなんだり、ドレスコンテストのブースで記念撮影したり、といった感じでこの空間を楽しんでいる。バーコーナーで販売されていたカクテルはすべて『炎と森のカーニバル』オリジナルメニューで、「Fight Music」、「幻の命」など6種類が用意されていて(同名のノンアルコールカクテルも)、人気を博していた。場内のどこもかしこも一足早い一足早いハロウィン・パーティーのような多幸感を、飲食コーナーやバーの店員、会場内の案内役に至るまで、すべて統一したコスチュームに身を包んでいるスタッフの姿が、その祝祭感をいっそう高めている。さらに、「DJ LOVEからの謎」と題して、当日配布されるクエスチョンシートに書いてあるクイズをあの手、この手、参加者同士のコミュニケーション、知力、体力、時の運(?)で解いて回るというゲームも実施されていて、集まった人を1秒たりとも飽きさせないような工夫が随所に凝らされている。思えば2月に観た代々木競技場第一体育館公演も、演出まで含めまさにそんな揺るぎないエンターテイナー精神に満ちたものだったが、それがここではひとつのリアルな「場所」として実現されているのである。

 サブエリアを抜けると、真っ先に視界に飛び込んでくるのは、あたかも30m級の巨大な樹木が舞台セットを丸ごと包み込んでしまったような、独特の存在感を持ったメイン・ステージ。その上手側(向かって右)にはこれまた大きなシアタースクリーン&下手側(向かって左)にもヴィジョンが設置されている。さらに、下手側にはサブステージが用意され、事前の出演者公募に応えて集まった多彩な音楽家たちによるパフォーマンスが開演と同時に展開され、場内のフェスティバル感をいやが上にも高めている。ステージ前には、各ブロックごとに前方から「月」「火」「水」「木」、後方には「太陽」「大地」「ヴィーナス」と名付けられたスタンディングエリアが広がり、その左右にはグッズ売り場と飲食コーナー。ステージ・エリアとサブエリアのセットのデザインだけでも十分にひとつの世界として完成していた『炎と森のカーニバル』。しかし、本当の「カーニバル」はまだ始まっていなかった。そう、SEKAI NO OWARIのライブこそが、何より最高にマジカルな空間を描き出していた。

 陽が落ちてあたりが暗くなり、肌寒いくらいの冷気が会場を満たし始めた頃、場内の照明がゆっくりと消え、いよいよSEKAI NO OWARIのステージが開幕! ドラゴンの吹く炎が森を火に包み、動物たちが逃げ惑うーーというオープニング映像に続き、巨大樹の舞台を覆い尽くすように、ステージ頭上からウォータースクリーンが降り注ぐ中、DJ LOVE/Nakajin/Saori/Fukaseの4人が登場。高々と響かせた1曲目は「Love the warz」! ステージのあちこちから大きなファイヤーボールが噴き上がり、燕尾服と赤いズボン(Saoriは赤いドレス)を着た4人の姿を照らし出していく。アンドロイド風の半面マスクを身につけたFukaseが歌い上げる、《戦争がなければPeaceもないのかい?》というシリアスな言葉が、4人が中心となって作り出したこの祝祭空間と1mmも矛盾することないメッセージとして、満場のオーディエンスの心を揺さぶっていく。現実逃避のために逃げ込む場所としての見せかけだけの楽園ではなく、楽しさと裏腹に残酷な現実が存在する僕らの日常そのものを、ここに集まった全員で確かめ合い、できる限り明るく祝い合い、その先へと歩き出していくための理想郷。だからこそSEKAI NO OWARIは、ただ単に「動員の多いワンマンショー」ではなく、自分たちの音楽を誰も体験したことのないような形で、しかもできる限り完璧な「世界」として、観る者すべてに提示する必要があった。そういうことだと思う。

 続く「虹色の戦争」では、来場者全員が腕につけたスターライトリングが曲に合わせてカラフルに輝いてスタンディング・エリアを鮮やかに彩る中、「歌える?」と呼びかけるFukaseに応えて高らかなシンガロングが沸き上がる。そして、「生物学的幻想曲」の《美しく廻る永久の「命のサイクル」》というフレーズとともに、オーディエンスの頭上にタオルが勢いよく渦を巻く。ライブ序盤にして早くもクライマックスのような熱気が、ステージ・エリアにはあふれている。それでも、富士山麓だけあって場内は刻一刻と寒さを増していて、「『炎と森のカーニバル』に、ようこそ! 大丈夫? 寒くない?」というLOVEのコールにも「暑い!」「寒い!」の両方の声が湧き起こる。「どっちだよ!(笑)」とツッコむLOVEの言葉を受けて、「寒かったら、騒げばいい!」とNakajin。さらに、「今日、このステージに出てくる俺、この顔の人、ぜーんぶ俺本人だからね? この先何があるかは言わないが……」と謎をかけて、会場を「?」で満たしてみせるLOVE。そこへ、一度姿を消していたFukaseが「お待たせしました! 生身の人間に戻ってきました! 騒ぐ準備はできてますか?」とマスクを外して再び登場。会場丸ごとダンス&ジャンプの嵐へと導いた「ファンタジー」では、サビの《Let's sing a song Wipe your tears》の歌詞に合わせて、ウォータースクリーンが文字の形になって落ちてくるという演出が飛び出し、場内の高揚感をますます高めていた。

 Fukaseが白いギターを構えて、弾き語りで穏やかに歌い始めた「白昼の夢」の音像がエレクトロなサウンドとともに真っ白にスパークした瞬間の、戦慄にも似た感激。いじめの加害者と被害者は容易に入れ替わる、という人形劇風の映像を挟んで鳴り響かせた「天使と悪魔」が、珠玉のメロディとともに突きつけてくる辛辣な真実。Saoriのピアノのイントロから流れ込んだ「花鳥風月」で会場に巻き起こったハンドウェーブ……それらの場面ひとつひとつがまたとない決定的瞬間として、観る者の心に刻み込まれていく。ここでステージが暗転し、メンバーが一時退場ーーしたところに、突如鳴り響くサイレンと「侵入者が楽屋に向かっています! 銃を所持している模様!」の警告アナウンス。すると、ギャング団のボスらしき男が銃を手にメンバー4人に詰め寄っているアニメ映像が映し出される。気がつくと、アニメ映像からLOVEがいなくなっている。「あれ? LOVEは?」「あいつ、まさかひとりで……」という会話に続いて照らし出された舞台には、ダンサーを従えてマイケル・ジャクソン風の衣装をまとったLOVEの姿が! そのままダンサーとともにロボット・ダンスをキメてみせる。さっきの「ぜーんぶ俺だから!」というのはこのことだったらしい。そこへ火花とともに銃声が轟き、ダンサーが倒れて……といった具合に、会場全体のセット以上に緻密に作り込まれたそのアクトは、どこを切っても強烈なサービス精神とエンタテインメント精神に裏打ちされたものだった。

 今度は4人それぞれ動物(Fukase:ドラゴン、Nakajin:オオカミ、Saori:鳥、LOVE:牛)に扮してオン・ステージすると、映画『マダム・マーマレードの異常な謎』の主題歌として書き下ろした新曲「Death Disco」へ! 光の花のようなミステリアスなライティングとレーザー光線の中、タイトなエレクトロ・ビートと壮麗なまでのコーラス・サウンドが目映く乱反射し合っていく。ドラム/ベース不在というSEKAI NO OWARIのフォーマットを「この4人だからできることがある」と武器として持ち替えて、さらなる音楽的進化と探求の道を突き進んでいることを、そのサウンドが雄弁に物語っている。「ありがとう! 私事ではありますが、今日僕は誕生日です!」というFukaseの言葉に、場内のあちこちから「おめでとう!」の声が沸き上がる。「28歳になって、ドラゴンの仮装をするとは思いませんでした!(笑)」と言いつつ、「いやあ、大きくなってしまいましたよ! こんな素晴らしいところで誕生日を迎えて、嬉しい限りです。ありがとうございます!」と感謝を伝えるFukaseに、さらに拍手が巻き起こる。

Fukase 「でも、大好きなお酒を浴びるほど飲むわけにもいかないんです! 明日もありますからね」
Saori 「そうかな? 昨日も結構飲んでたよね。チューハイ6缶って少ないかな?」
LOVE「だって、12時になって、俺とNakajinが一緒に行ったじゃん? 部屋に。その時、目開いてなかったもん(笑)」
Fukase 「や、目は細い方よ?(笑)」
LOVE 「もう酒入ってる状態だったもん!」
Fukase 「酒入ってたね。昨日誕生日で、12時回ったらみんな俺の部屋に来てくれて。仲良しみたいな感じでシャンパンを開けたりしてたわけですけど……」
 そんな会話に続けて、「お酒は僕は最も好きなものですから。それで……2月に足を折ってしまったんですけど(笑)」とオーディエンスを沸かせてみせるFukase。「その時の歌を歌いたいと思います!」のコールから歌い始めたのはもちろん「broken bone」。アーティストとしての真摯な決意と、ひとりひとりのパーソナルな人間性が、この壮大な表現世界のパースの中でごく自然に配置されて、ステージと会場の枠を超えた濃密で快活なコミュニケーションを生み出していく。3拍子のワルツから荘厳な風景へと昇り詰めていった「深い森」。シャボン玉の飛び交う幻想的な光景とともに、ポップで切ない歌が胸に迫る「眠り姫」。さらに初期の名曲「幻の命」の朗らかな音世界がやがて炎のように鮮烈に燃え盛り……1曲、また1曲と、この至上のカーニバルの磁場はより強さと濃さを増していく。

 「気づいたら、白い息出ますよ! 寒くないっすかみんな?」のMCの主は、ノースリーブのコスチュームのNakajin。「俺寒そうじゃない? 残念なのは、ギターで隠れて、割れた腹筋が見えないんだよね」と言いながら、ギターをどけて腹筋を披露すると、女性客から歓声が湧き上がる。「あと、あっちのステージのほうに、実は水槽が現れます。人魚が出てくるので」というNakajinの呼びかけとともにサブステージを見ると、サブステージのほうにも降り注ぎ始めたウォータースクリーン狭しと優雅に泳ぎ回るマーメイドの姿が映し出され、会場はさらなる歓声に包まれる。「ここからは、ヴォーカル殺しのアッパーなんで!」(Fukase)、「イケイケなんで!」(Nakajin)という2人のコールの通り、ライブは一気に終盤へ! 舞台を照らし出す炎よりも熱くオーディエンスの情熱が噴き上がった「アースチャイルド」。《僕らは「夢を叶える」ということが 夢になってたんだね》《君がいるから僕の命は輝くんだ》と自らの想いをダイレクトに撃ち抜いたフレーズが、スターライトリングの輝きとともに弾けた「yume」。最後は高らかなクラップとともに最新シングル曲「RPG」で大団円!

 4人がステージを去った後、アンコールを求めて会場から湧き起こる「スターライトパレード」の大合唱……が、いつしか♪Happy Birthday To You~へと移り変わった頃、もう一度4人が舞台に登場。アンコール1曲目、オーディエンスの歌声に応えるように「スターライトパレード」を演奏してひときわ高らかなシンガロングの輪を生み出した後、「Fukaseの誕生日をお祝いしてくれて、ほんとありがとうございます!」というSaoriの言葉をきっかけに、またしても♪Happy Birthday To You~の歌が広がっていく。場内を再びタオルの渦で埋め尽くした「Fight Music」のサウンドのエネルギーに身を任せて、ハンディキャノンを抱えてぶっ放してみせるLOVE。樹木のセットの一段高いところへ昇ってギターをかき鳴らすNakajin。終わりが近づくこの空間を最後まで楽しみきろうとする熱気が、ステージからも観客からもあふれ返っている。

 「もうライブも終わりだよぉ~!」のSaoriの言葉に、そこかしこから「えー!」「やだ!」と次々に声が上がる。「次でほんとに最後の曲をやります」と静かに語りかけるFukase。「楽しいよ、俺。ありがとう!」の言葉に、熱い拍手が広がっていく。「でも、楽しいのは俺だけじゃないでしょ? 最後の曲です。大きな声で歌ってください!」。そんな言葉とともに放たれた、正真正銘この日最後の曲は「インスタントラジオ」。観客にメロディを委ねるFukaseに応えて、夜空を震わせるほどの合唱が、スターライトリングの光とともにでっかく響いていく。さらにシャボン玉、キャノン砲の銀テープが飛び交い、「Nakajin、フィナーレは任せた!」というFukaseのコールに合わせてNakajinがギター・ソロを弾きまくる中、夜空に高々と打ち上がる花火! すべての音が止み、広い舞台を端から端まで歩き回って感謝を伝える4人に、惜しみない拍手がいつまでも降り注いでいた。

 1日目終了後、13日の0時ちょうどに、Saoriは公式ブログに次のように書いていた。
《デビューして3年目に突入した今も、まだ大赤字をたたき出している私たちのライブ。
炎と森のカーニバル。総制作費、5億円。
「巨大樹の下でライブをやりたい」
そう言って、本当にそのライブを実現させた深瀬が今日28歳になった。
私も含めた会場に入った全ての人たちが深瀬に夢を魅せて貰った日になった。
景色が全部涙色に染まるような、それはそれは素敵な日だった》
 自分たちでライブハウスを作り、自分たちにしかできない音楽を鳴らし、暗闇も苦悩も容赦なく存在する僕らの真実をどこまでもリアルに、真っ直ぐに突き刺してきたSEKAI NO OWARI。そんな自分たちの音楽の結晶である1stフルアルバムを4人は『ENTERTAINMENT』と名付けて、聴く者を力強い歓喜の果てへと導いてみせた。そんな想いと闘争心が結実したワンダーランドがこの日、僕らの目の前に確かに存在していた。SEKAI NO OWARIと同じ時代を生きていることを心から誇りに思える、最高のエンタテインメントだった。

[SET LIST]
01.Love the warz
02.虹色の戦争
03.生物学的幻想曲
04.ファンタジー
05.白昼の夢
06.天使と悪魔
07.花鳥風月
08.Death Disco
09.broken bone
10.深い森
11.眠り姫
12.幻の命
13.アースチャイルド
14.yume
15.RPG

En1.スターライトパレード
En2.Fight Music
En3.インスタントラジオ

Show Report:高橋智樹

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Yahoo!チケット先行受付 2014/07/30(水) 15:00~2014/08/05(火) 23:59

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